STORY

  • 後編 あらすじ

  • 前編 あらすじ

初めて出場した世界大会の後、
遙は《絶対王者》アルベルトの泳ぎに囚われ、自由を失っていた。
「君はなぜ泳ぐのか?」
問われたのは、泳ぐことの意味と水との在り方。
もがき苦しむ遙はひとり暗い水底に沈んでいく。

心を抉られたような衝動に追い込まれながら、
あえて過酷な特訓を選び、ただひたすら練習に打ち込んでいく遙。
身も心も酷使していることは、遙自身深く理解していた。
仲間たちはそんな遙を信じ、見守るしかなかった。

脳裏にフラッシュバックするアルベルトの冷たく乾いた泳ぎ。
もっと速く、もっと強くならなければ。
もう一度、アルベルトと戦わなければ。

遙の繰り出すストロークが、重く冷然な水を切り裂いていく。
寄り添う仲間たち。

遙が泳いだ先に見た景色とは──!

世界を目指す七瀬遙の新たな舞台は、かつて訪れた夢の場所・シドニー。
旅立つ前につかの間の休息を過ごしていたある日、
遙は全日本選抜大会で戦ったある選手と偶然対峙し、闘志を見せる。
ともに泳いできた仲間たちの想いを胸にさらなる新境地へ踏み出していく遙。
そこに待ち受けるのは絶対王者・アルベルト・ヴォーランデル。
シドニー大会に向けて、選手たちはそれぞれに士気を高めていく。
世界の頂点を競う中で、彼らは何を感じ、何のために泳ぐのか。
水と向き合う彼らの熱き戦いが、ここから始まる――!