SPECIAL
「Free!」七瀬遙
バースデーイベント
2024年6月30日(日)
横浜BUNTAI
『Free!』シリーズを支えてきた豪華出演陣が集結した七瀬遙バースデーイベントが、2024年6月30日横浜BUNTAIにて開催された。昼公演では早船ロミオ役・阿部敦さん、石動静流役・松岡禎丞さん、椎名旭役・豊永利行さん、夜公演では松岡江役・渡辺明乃さん、国木田歩役・広橋涼さん、山崎宗介役・細谷佳正さん、そして昼/夜ともに七瀬遙役・島﨑信長さん、小学生時代の七瀬遙役・松元惠さん、東龍司役・草尾毅さんが登壇し、この日誕生日を迎えた七瀬遙をお祝いした。そして、昼/夜公演の最後には来年5月に開催される「Free! Series オーケストラコンサート2025」(東京公演・鳥取公演)と、「鳥取県岩美町イベント」が発表された。
ここでは昼/夜公演の様子をレポートしていく。
冒頭では、昼/夜公演ともに七瀬遙の幼少期から大学生までの成長過程を辿ったバースデームービーが流れ、映像のラストに「Haruka Nanase Happy Birthday!」の文字が映ると客席から大きな拍手が起こる。
そして島﨑さんが登壇し、七瀬遙として誕生日を迎えた気持ちを会場のファンへ届けた。司会は昼/夜ともに森雄一さんが務める。ステージがバルーンやサプライズボックス等で装飾され、ホームパーティーのような雰囲気に包まれる中、島﨑さんの「今日は一緒に遙の誕生日をお祝いしましょう!」の言葉とともにイベントがスタート!
昼公演ゲスト:阿部敦さん、松岡禎丞さん
昼公演の最初の訪問者は早船ロミオ役・阿部敦さん、石動静流役・松岡禎丞さん! お二人から遙(島﨑さん)へ誕生日プレゼントを贈ると、想定外の出来事に驚く島﨑さん。実は島﨑さんはプレゼントがあることを知らされておらず、サプライズ演出となった。阿部さんはワイン好きの島﨑さんのためにワインクーラースリーブをチョイス。島﨑さんは遙らしいブルーカラーに触れながら感謝を伝えた。松岡さんは実家が海産物店の静流にちなんで利尻昆布を贈ると、客席から大きな拍手と笑いが起きる。松岡さんが「乾燥ワカメと迷いましたが、華がある昆布にしました」と語ると、島﨑さんは「これ(松岡さんの)地元の昆布ですね!」と返し、仲睦まじい姿を垣間見せた。
続いてのオリジナル朗読劇では、遙、ロミオ、静流が部室で見つけた謎の玉手箱について、「箱を開けて、もし姿が変わってしまったら?」を空想し合う内容で、3人が息の合った朗読を披露した。続くトークコーナーでは『もう一度見たいシーン』について語ることに。阿部さんと松岡さんは渚、怜、静流、ロミオのメドレーリレーシーン(『Free!DF』第5話)をチョイス。
阿部さんは飛び込みのトラウマを克服しようと奮闘するロミオに触れながら、「イップスを克服するのはかなり難しいと聞きますが、チームメイトの力で乗り越えて克服の第一歩を踏み出せたので、すごく良いシーンだなと思いました」と話すと、松岡さんは「(ロミオが飛び込めた)あのシーンは家で見て泣きました」と振り返った。続いて、阿部さんと松岡さんのアフレコ参加当時の話へ。島﨑さんが『Free!』の現場の印象について聞くと、阿部さんは「(同じ事務所の)代永翼さんから話は聞いていましたし、知っているメンバーも多かったのですんなり入ることができました」と答える。一方、松岡さんは「アフレコ初日の挨拶の場で、鶴岡(陽太)音響監督に『松岡、わかってるよな?』と言われたのですが、どういう意味なのか全く分からなくて……。でも自分なりに考えた結果、“お前がやれることをやれ”という風に解釈して、やりたいようにやらせていただきました」と語った。続いて、『Free!』シリーズが11年目を迎えたことについて語る一同。阿部さんが「ロミオと静流の未来がどうなっているのか見てみたいです」と話すと、島﨑さんは「今後遙たちと一緒に世界で泳いでいてもおかしくないですね」と想像を膨らませる。そして、松岡さんは「静流もロミオも、もしかしたら『俺はフリーしか泳がない』って言っているかもしれません」と言って観客の笑いを誘った。
昼公演ゲスト:草尾毅さん
続いて、東龍司役・草尾毅さんが登場し、遙(島﨑さん)へミニ盆栽をプレゼント。草尾さんは「遙のキャラクターとしてもそうですが、島﨑さんも後輩ができて、色んな人を“育てる”意識を持たれると思い、盆栽にしました」と、選んだ理由を語った。
朗読劇では、霜狼学院大学の学食で鉢合わせた遙と東が、学生時代の「PKH東」についての話題を繰り広げる、という内容で、度々アドリブを仕掛ける草尾さんに翻弄されながらも打ち返していく島﨑さんの姿が印象的だった。続いて、草尾さんは『もう一度見たいシーン』に東が学食のうどんを食べるシーン(『Free!DF』第3話)、勝つために何かを捨てろと言う東に対して遙が「俺は何も捨てません」と答えるシーン(『Free!FS』前編)、タイムに囚われた遙が東に「頭を冷やせ」と諭されるシーン(『Free!FS』前編)の3つをチョイス。
うどんを食べるシーンについて、草尾さんは「東は険しい表情のイメージが強いですが、お茶目な一面も垣間見えて楽しかったです」と語った。そして、草尾さんには養成所の頃からお世話になっていると語る島﨑さん。旧知のお二人だからこそ語れる貴重な裏話に観客も聞き入っていた。続いて、『Free!』シリーズの未来について、草尾さんは「東と遙たちの日常のやり取りや、学生時代のエピソードなどをぜひスピンオフアニメにしてほしい気持ちもあります」と話すと、島﨑さんをはじめ客席も拍手で応える。加えて、「もっと見たいという気持ちと、完結した作品なので、あえてその先は語らず、ファンの皆さんの中で熟成してほしい気持ちの両方があります」と語った。
昼公演ゲスト:豊永利行さん
3組目は椎名旭役・豊永利行さんが登壇し、普段からよく食べているというグミのサプリ(亜鉛&マカ、マルチビタミン)を遙(島﨑さん)へ贈った。
朗読劇は大学の講義後に旭が遙に英語の勉強方法について相談する、というもの。「英語は歌って覚えれば良い」という遙の振りから、旭がアドリブで歌う場面では、豊永さんの美声に客席が手拍子で応えていた。
続いて、『もう一度見たいシーン』に豊永さんが選んだのは、遙たちが尚とペットボトルのキャップで反射神経の特訓をするシーン(『映画 ハイ☆スピード!』)、図書館で出会う旭と怜のシーン(『映画 ハイ☆スピード!』)と、その後再会する旭と怜のシーン(『Free!DF第11話』)、旭が高校時代の遙たちのインタビュー動画を見て「ほんと、フリーな奴だよ、ハルは」と語るシーン(『Free!FS』後編)をチョイス。
旭と怜のシーンについて、この旭と怜がお互いに救い救われるシーンを続けて観てほしかったと熱く語る豊永さん。そして、島﨑さんは『Free!FS』後編のラストシーンに触れ、「ラストが旭で本当に良かったです。次にみんなから力をもらってすごい泳ぎをするのは旭じゃないかと思います」と語った。豊永さんも「この先があるとしたら、旭に光が当たる日は必ずくると思います。だからこのまま変わらずにいてほしい」と語った。
そして、話題は昨年行われた10周年イベント「Free! 10th Anniversary –Memories of Summer-」へ。島﨑さんは、この先も続いていく遙たちの人生とは別に、作品として“終わり”という言葉をどこかで言わなければならないと考えていたという。そんな中、豊永さんが最後の挨拶で旭の未来についてたくさん語っていたことに触れ、その挨拶を受けて今回のイベントに来てもらいたいと思ったと明かす。豊永さんは「だって(旭は)アテネ大会を諦めてないから! 俺は旭として泳ぎたいと思ってます!」と、旭の感情をすくい上げながら熱く話し、島﨑さんは「今日は遙の誕生日ですが、裏テーマは“未来”です! 一番未来を体現していたのが豊永さんであり、旭でした」と語った。
昼公演ゲスト:松元惠さん
昼公演のラストは小学生の七瀬遙を演じた松元惠さんが登場! ダブル遙として島﨑さんとプレゼントを交換し合うことに! 松元さんはブルーの競泳用吸水タオル、島﨑さんは高級鯖缶セットを贈り合い、遙らしいプレゼントでお祝いした。
続いて、『もう一度見たいシーン』に松元さんが選んだのは真琴、凛、渚のもとから逃げ出した小学生の遙を大学生の遙が引き留めようとするシーン(『Free!FS』後編)。そして、島﨑さんは小学生の真琴が遙に「ハルちゃんはハルちゃんのために泳いでほしい」と伝えるシーン(『Free!FS』後編)をチョイス。どちらも遙の原点とも言える重要なシーンだ。
松元さんは幼少期の遙を初めて演じた当時を振り返りながら、「島﨑さんの演技を見ながら呼吸のタイミングや話し方を勉強しました」と話す。島﨑さんが「当時新人だったのですごく恥ずかしいですね(笑)」と照れ笑いすると、客席からも笑みがこぼれた。また、『Free!FS』のアフレコ収録は2回に分けて行われ、1回目で遙のセリフがうまくいかなかったと話す島﨑さん。しかし、2回目で幼少期の遙たちの収録に立ち会ったことで遙を理解でき、パズルのピースがはまった感覚になったと語る。松元さんはその時の収録について、「収録現場にいたのは確かに島﨑さんだったんですが、遙がいるような感覚がありました。遙が自分の過去を見直して心を整えているように見えました」と語った。続いて、11年目を迎えたことに対して松元さんは「遙たちの未来が見たいです。あと、ぜひ小学生版が見たいですね!」と話すと、客席も大きな拍手で応える。島﨑さんは「僕は2、3周して“シルバーズFree!”が見たいですね。おじいちゃんになった遙や凛がめっちゃいい体で泳いでいる姿が見たいです!(笑)」と語り、観客の笑いを誘った。
夜公演ゲスト:渡辺明乃さん、広橋涼さん
夜公演1組目には松岡江役・渡辺明乃さん、国木田歩役・広橋涼さんが登場! 遙(島﨑さん)へのプレゼントでは渡辺さんが鯖缶セット、広橋さんが宝瓶(ほうひん)を贈った。続いて、遙と江と歩のオリジナル朗読劇を披露。江と歩が遙をゲストに迎えて水泳部勧誘ラジオの収録を行うというもの。江と歩、女子二人のテンションに置いて行かれる遙の様子に、島﨑さんは新鮮だったと語った。『もう一度見たいシーン』では、渡辺さんが凛のゴーグル装着シーンをチョイス。これまでのゴーグルシーンを集めて編集した映像が流れると、会場に何度も「パチン」という音が鳴り響き、客席は笑いに包まれた。さらに、本音をぶつけ合う遙と凛のシーン(TVアニメ『Free!』第12話)、温泉旅行へ行く凛、宗介、愛一郎、百太郎のシーン(『Free!TYM』)をチョイスした。
広橋さんは遙、凛、宗介、郁弥のメドレーリレーシーン(『Free!FS』後編)をチョイスし、島﨑さんに息継ぎを芝居でどのように表現しているのか尋ねる。泳法の中でも口から吸って鼻から吐くバックが大変のようで、島﨑さんは御子柴百太郎役の鈴村さんがバックの収録時に「なんか鼻から出る!」と慌てていたという裏話を語った。
『Free!』シリーズが11年目を迎えたことについて、渡辺さんは「10年前よりも明らかに涙腺が弱くなっている気がします。この先、5年10年と続いたら泣きすぎて枯れちゃうかもしれないです。そのくらい思い入れのある作品です」と話し、広橋さんは「『Free!』の世界はずっと繋がっている気がします。彼らがまた泳いでいる姿を見れたら良いなと思います」と語った。
夜公演ゲスト:草尾毅さん
昼公演同様、草尾さんは遙(島﨑さん)へ盆栽を贈り、朗読劇を披露。続く『もう一度見たいシーン』では、練習で消耗した遙が倒れるシーン(『Free!FS』後編)、東が凛に詰め寄るシーン(『Free!FS』後編)をチョイスした。いずれもストーリーのカギとなるシーンだ。
草尾さんは東の性格に触れながら、「東は大人ぶってはいますが、過去にこだわっていたり、今でも複雑な思いがくすぶっていたり青臭い所を隠しきれない、非常にやりがいのある大好きなキャラクターです」と話した。島﨑さんは草尾さんのアフレコ収録を見ていたそうで、「本番前のテストから、草尾さんが東の内面的な青さを表現されていたのが印象に残っています。セリフについても、大人として言うのであればこうなるのでは…?と、草尾さんから提案してくださっていて、すごくうれしかったです」と、裏話を語った。そして、草尾さんが『Free!』を、舞台のように稽古を重ねることで味が出てくる作品だと表現すると、島﨑さんは「『Free!DF』のアフレコ現場に来た豊永さんが劇団Free!みたいだねと話されていて、まさに!と思いました」と語った。その話を聞いた草尾さんは「また5年後にアフレコをしたいと思わせてくれる、そんな作品だと思いました」と、率直な気持ちを語った。
夜公演ゲスト:細谷佳正さん
続いて登場した細谷さんは、遙(島﨑さん)へサメのスリッパをプレゼント。朗読劇では、ハンガリーから帰国した遙が宗介に会い、凛からのお土産についてちぐはぐなやり取りを繰り広げる、という内容で、噛み合わない遙と宗介の会話に客席から笑いが起きていた。『もう一度見たいシーン』では肩を故障している宗介が凛に一緒にリレーを泳ぎたいと告げるシーン(『Free!ES』第10話)、宗介が凛に肩の手術が成功したと話すシーン(『Free!DF』第10話)、宗介が遙を車で送るシーン(『Free!FS』後編)をチョイス。
『Free!ES』第10話のシーンは特にファンの方々に愛されている印象があると語る細谷さん。細谷さんが「男の人の涙はたまらないですよね?」と問いかけると、客席から大きな拍手が起こった。続いて、肩を故障した宗介について語る流れに。当時、宗介の復帰について監督陣と話し合っていた細谷さんは自分自身と宗介の状況を重ね、「そんな簡単に復帰しよう、とならないと思うんですよね」と伝えたところ、監督に深く刺さってしまったというエピソードを語る。その後、宗介が復帰すると聞いた細谷さんは「『Free!』を応援してくれているファンの皆さんが幸せになれる結末にしたいという話を聞いた時はすごく良いなと思いました。自分も作品に対するみんなの巨大な愛みたいなものの一部になれたことは本当に光栄なことだと思います」と語った。続いて、島﨑さんが『Free!ES』の現場に初めて参加した時の印象を聞くと、最初は転校生みたいな気分で、少しずつ打ち解けていったと語る細谷さん。さらに、島﨑さんと細谷さんはお互いの変化をよく見ていて、アフレコ現場で会った時には感じたことをお互いに伝え合っていたという貴重なエピソードも披露した。また、島﨑さんは『Free!FS』の終盤の宗介について触れながら、「経験も積んでいるせいか、より重心がしっかりしていましたよね」と振り返る。そして、細谷さんが「自分で言うのもなんですけど、後半の宗介が良い声すぎて……!」と言うと、観客は大きな拍手で同意を示した。続いて、11年目を迎えた『Free!』について、細谷さんは「作品としては一応ゴールを迎えましたが、こうしたイベントに変わらない熱量で集まってくださるファンの方々がいる作品は他にないと思います」と語った。
夜公演ゲスト:松元惠さん
夜公演では、松元さんは水泳用のゴーグルとゴーグルの曇り止め、島﨑さんは動く鯖のぬいぐるみを贈り合った。続いて『もう一度見たいシーン』では、大学生の遙が幼少期の自分の背中を押すシーン(『Free!FS』後編)をチョイス。七瀬遙が過去と対峙し、未来へ踏み出すためのカギとなるシーンだ。
松元さんは選んだシーンについて、「幼少期の遙が一度仲間のもとに戻った後、凛が留学して去ってしまうんですよね……」と話すと、島﨑さんは大学生の遙視点で物語を振り返りながら、「幼少期から大人までの姿が描かれたからこそ、絆が彼らを繋いでくれていると感じることができたんだと思うんですよね」と語り、松元さんも大きく頷いていた。
続いて、話題は松元さんが島﨑さんの芝居をよく観察しているという話へ。島﨑さんは、作品を重ねるごとに遙も自分も成長して芝居も変わっていると話し、松元さんに遙の変化を追う大変さについて尋ねる。松元さんは「これまで周囲の力もあってブレずに成長してきた遙の芯を見失わないためにも、Blu-rayディスクを買って何度も見返したり、作品のイベントも見たりして芝居に落とし込みました」と語った。
遙のバースデーケーキ登場!
昼/夜公演のトークコーナーが終わると、来場の皆さんにスマホのライトで会場を照らしてもらう参加型サプライズ演出が行われ、バースデーソングとともに遙のバースデーケーキが入場! 各公演で登壇したキャストに見守られながら、島﨑さんと松元さんが息を合わせてろうそくを吹き消し、遙の誕生日をお祝いした。
そして、昼/夜公演の最後の挨拶ではキャスト陣が改めて遙の誕生日を祝い、この先も続いていく遙たちの未来に想いを馳せた。島﨑さんは「遙の話がたくさんできて嬉しくて幸せです! 皆さんの中にも遙たちが生きています。これからも『Free!』シリーズを、七瀬遙を一緒に愛していただけたら幸いです」と語り、エンディングコーナーへ。
エンディングでは、イワトビちゃんが製作委員会からの告知の手紙を届け、島﨑さんが読み上げた。昼公演では「Free! Series オーケストラコンサート2025」、夜公演では「鳥取県岩美町イベント」の開催情報が発表され、会場からは驚きと喜びの入り混じった割れんばかりの歓声が上がった。
そして、最後は恒例の島﨑さんによる「Take your marks,ready GO!」でイベントを締めくくった。
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